新井貴浩の「下からは上げん」に宿った覚悟 いまのカープを映した静かな決断~とにかく勝て!

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新井貴浩とスライリー

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平川の離脱は痛い。 これから期待されるスター候補生だけに…
じゃが胸にいちばん引っかかったのは負傷そのものより新井監督の「下(2軍)からは上げん」だった。

ここに、いまのカープの輪郭がよう出とる。
誰を足すかではなく、何を守るかを先に決めた判断だったからなんよ。

ヤクルト戦が雨で流れた4月1日、神宮の屋内練習場で全体練習をこなしながら、チームは平川の登録抹消と向き合うことになった。
診断は右肩肩鎖関節損傷。開幕直後の空気を思えば、これは軽い話ではない。

ドラフト1位のルーキーが離れる。
普通に考えたら、まず浮かぶのは誰を上げるかじゃろう。

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平川離脱より重かった 新井監督の下からは上げない

でも新井監督は、そこをすぐに切らんかった。
「下(2軍)からは上げない。野手は16人でいく。投手を厚く持っておきたいから」と、はっきり言った。

この言葉は、やせ我慢というより優先順位の宣言に近い。
野手の枚数が減る不安を承知のうえで、それでも投手を厚く持つほうがいまは大事だと腹をくくったわけじゃ。

背景は分かりやすい。
3月31日のヤクルト戦では森下が4回3失点 自責2 で降り、週の頭から救援を4人使った。

開幕してまだ間もない時期に、もう継投の負担は顔を出しとる。
ほいで次も次もと試合は来るんじゃけえ、ベンチの設計を野手の補充へすぐ振らんかったのは、理屈としては筋が通っとる。

2軍には候補がおらんわけでもない。
末包はファームで2試合連続本塁打、田村も2試合連続打点と、数字だけ見れば呼びたくなる材料はちゃんとある。

それでも上げない。
この一点に、新井監督がいま見とる戦い方が透けて見える。

たぶんこれは、野手が足りとるという話ではない。
いまのカープは、まず投手戦を落とさんことを土台に置いとる、そういう設計なんじゃろう。

開幕3連勝でええ流れを作ったチームだけに、勢いに乗って手を広げたくなる場面でもある。
だけど、ここでベンチの形を崩してまで野手を足さなかったのは、勝ち方の芯をまだ動かしたくないからだと思える。

しかも平川が抜けたあとの穴は、単純な人数では測れん。
守備の軽さ、空気を変える若さ、見ている側に何か起こしそうだと思わせる初々しさまで含めて、代わりがすぐ立つ種類の存在ではないんよ。

だからこそ、この判断は余計に重い。
平川の穴を誰か1人で埋めるという発想じゃなく、いまおる全員で少しずつ受け持つしかないと、新井監督は見切ったんじゃろう。

秋山のコメントにも、その空気はにじんどった。
「平川と一緒にやっている中でも、キャラクターを含め、すごくファンの人が応援したくなるようなプレーをしていた。自分もしっかりしたプレーができるように。明日起用はどうなるか分からないが、準備だけは怠らずにやりたい」

ええ言葉じゃと思う。
平川の不在を惜しみながら、自分の出番を静かに引き受ける感じがある。

ベテランが前に出る。
でもそれは、若手の枠を奪うという話でもないんよ。

秋山はさらに「若い選手が出るとなった時にも、いい状態で代わりたい。ダメだから、下がるというのはないようにしたい。チームのプラスになるようなものを、姿勢を含めてやっていきたい」と語った。
この言葉のええところは、自分が出ることと、若い選手の成長をきれいに切り離していないところじゃ。

薄くなる野手陣 それでも現有戦力を選んだ意味

もちろん、不安がないわけじゃない。
でもね、野手を16人で回す形は、試合がもつれたときにじわっと苦しくなる。

代打の幅、守備固めの入れ方、終盤の細かな打ち手。
そこは確実に細くなるし、連戦になれば疲れも隠せんようになる。

秋山、野間、大盛、二俣、佐藤啓介に回る役割は、思った以上に重たい。
誰か1人が埋めるのではなく、何人かが場面ごとに穴をふさぐ形になるはずで、そこは見た目よりたいぎい仕事じゃ。

しかも、2軍で結果を出している選手からすれば、いま上がれんのかという気持ちもあるじゃろう。
それは健全な競争の裏返しでもあるけれど、現場の判断が常に全員を気持ちよくさせるわけではない。

それでも、新井監督は投手を厚くするほうへ振った。
この決断を弱気と見るか、現実的と見るかで、たぶん記事の読み味は変わる。

わしは、これは後ろ向きな縮こまりではなく、勝ち筋を細くても切らんための選択に見える。
打線が万全でない時期ほど、試合を壊さんための投手運用は効いてくるし、そこを軽く見んかったのはむしろ現実的じゃ。

派手ではない。
だけど、派手じゃない決断ほどチームの本音は出る。

平川が戻るまでのあいだ、カープは少し窮屈なやりくりを強いられるかもしれん。
ただ、その窮屈さの中で誰が一歩前へ出るかを見られるのもまた、シーズン序盤の大事な景色なんよ。

誰かを上げなかった日というより、いまいる選手にもっと背負わせると決めた日。
今回の判断は、そう読むほうがしっくりくる。

痛手を受けたあとに、すぐ足し算へ走らん。
その我慢が吉と出るか、どこかで無理になるかは、まだ分からんのじゃろう。

けれど少なくとも新井監督は、いまのカープが何で勝つべきかを見失ってはいない。
そこがぶれん限り、この窮地はただの穴では終わらず、チームの輪郭をくっきりさせる時間にもなりうる。

次の試合で誰がどこへ入るのか。
その並びを見る目が、きょうから少し変わってくるんよ。

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