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ヤクルト 2 – 0 カープ
霧雨が肌に染みる夜だった。マツダスタジアムのスタンドで、わしはずっとカッパも着ることなく試合を見つめ続けた。
試合が終わったとき、正直もう立ち上がる気力もなかった。
広島を愛した男にやられた夜
山野は6回を投げて無失点、97球で25人と対峙しわずか5安打しか許さんかった。
最速149キロの速球、シンカー、スライダーを丁寧に投げ分け、ランナーを出しても要所できっちり仕留める。
「試合を作れたことがよかった」と本人は言っとったけど、こっちからすればただただ手も足も出んかったということじゃろ。
開幕から4戦4連勝、両リーグ単独トップ。
ヤクルトでは左腕として51年ぶりとなる快挙だという。カープファンだった子どもが、こんな怪物になって戻ってくるとは思わんかった。
<7安打0点という名の地獄/h2>
カープも7本打っとる。なのに一点も入らんかった。残塁は10。それがいちばん見ていてつらかった。
1回に小園が中前打で出塁した。「いけるかもしれん」と思った瞬間、後続がつながらんかった。4回にはファビアンが右前安打を放ち、佐々木泰が二塁打で続いて1死二三塁の好機を作った。スタンドがざわめいた。
けど大瀬良が山野の中犠飛を打ち上げて終わったという皮肉な結末じゃ。6回にもモンテロが右前打で出たがそこから三者凡退。
得点圏に走者を置いた場面が4イニングあっても一点が遠かった。霧雨の中で、何度も膝に力を入れて立ちかけて何度も座り直した。
そのうえ3回の第2打席で小園が山野の直球を右手甲に受けた。苦悶の表情でベンチ裏に下がったときスタンドに静かなざわめきが広がった。
いったん戻ってきてくれたものの、5回の守備からついに退き、試合中に病院へ向かった。
「大丈夫。打撲だから。骨には異常ないということなので」と新井監督は言うたけど、現場にいてそのシーンを見た身としては胸に来るものがあった。
大瀬良大地は右ふくらはぎの故障で開幕を遅らせ、きょうがようやく今季初先発じゃった。
ファームで15.2イニングを2.30で抑えてきた34歳が 「チャンスをもらったので、しっかりと結果を残せるように頑張りたい」と言うて上がってきた。5回85球2失点。勝ちをつけてあげたかった。通算300試合登板という節目の登板が、こういう結果になってしもうたのは気の毒じゃった。
チーム打率は.202。48得点は12球団ワースト。スターティングラインナップを見ると打率1割台の野手がぞろぞろ並ぶ。ファビアンが.169、坂倉も.188でこの日はスタメン落ち、持丸が.100、平川が.192。
正直に言うと、打順を眺めながらうーん、と唸るしかなかった。どこから点が入るんかわしにはわからんかった。
新井監督は試合後、「いいところまではいくんだけど、あともうちょっとというところを我慢してやっていきたい」と言うた。
もう積極的に声を荒らげる気力もないような静かな言葉じゃった。借金は今季最多タイの5、順位はCクラス。雨が降りしきる中で聞いた言葉がそのまま今のカープの状況を表しちょる気がした。
霧雨は試合が終わってもまだ降り続けていた。
帰り道、ユニフォームの赤が雨に濡れて心なしか暗く見えた。
7安打打って残塁10積み上げて、0点というのはそういうもんじゃ。運じゃない、勝負どころの力が、いまのカープにはちょっとだけ足りない。
それでも、わしは明日もここに帰ってくる。選手たちもぬかるんだマウンドで腕を振った山野を見ておる。
あの男が昔カープを好きじゃったように、カープの選手たちも必死じゃということは、グラウンドを見ていれば伝わってくる。
小園の右手が早う治ることを祈りながら霧雨の夜のマツダスタジアムを後にした。


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