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シーズン3位のDeNAがCSを6戦全勝で駆け抜けて2年ぶりの日本シリーズ進出を決め、またしてもCS不要論が燃え上がっている。
またか…
日曜の朝トーストをかじりながらスマホをめくっていて、ある見出しの数字で指が止まった。「81.1%」。
カープはとっくに4位で今季を終えているのに、気づけばコーヒーが冷めるまで読みふけっていた。
貯金2と貯金42 それでも数字は1位の味方だった
まず、おさらいをしておく。17日の甲子園、DeNAは2点を追う8回に1点を返すと、9回2アウト2、3塁で途中出場の三森がセンター前へ逆転の2点タイムリーを運んだ。
8対5で4連勝。東京ドームで巨人に2つ、甲子園で阪神に4つ、ビジターだけで6戦全勝だ。
待ち受けるのは貯金42でパリーグを独走したソフトバンク。
貯金2のチームとの頂上決戦に、SNSでは「なんか変」「邪道だ」という声が並んだと、別の記事は伝えている。
そこへFull-Countの記事が冷静な数字を置いた。今の方式の骨格ができた2008年以降、ファイナルステージで1位が勝ち抜けたのは37度のうち30度で、3位からの突破はたった4度しかない。
記事の結びはこうだ。「今回浮かび上がったのはCSの無意味さではなく、3位から3度も扉をこじ開けたDeNAの異常さだ」
うまいこと言うなあ。思わず、ふっと笑った。
でもね、数字を並べて「だから文句を言うな」で済ませるのも、ちょっと違う気がするのよ。この話、カープにとっては他人事じゃないから。
あの秋の悔しさと7か月で戦うという設計図
カープファンなら忘れない2017年の秋。
連覇を決めたカープは、3位のDeNAに14.5ゲームもの差をつけていた。
それがマツダスタジアムのファイナルで、たしか初戦は雨の中の5回降雨コールド勝ちで取ったのに、そこから4つ続けて負けたんだよな~~~
あの週の広島市は、空気まで湿っていた気がする。ぬかるんだ黒土、ビニールのカッパがこすれるシャカシャカという音、そして最後の打球がグラブに収まった瞬間の、ため息とも何ともつかないスタンドのざわめき。
「ファーム日本一と日本シリーズ制覇のダブル日本一じゃあ!」と、息巻いていた時が1番幸せだった。
正直、あのときは制度を恨んだ。いまの阪神ファン、巨人ファンの気持ちは痛いほどわかる。
だけど、時間がたつにつれて見え方が少し変わってきた。あの秋、負けたのは制度にじゃなくて、10月に照準を合わせてきた相手にだったんじゃないか。
リーグ優勝をゴールに置けば、戦いは4月から9月までの6か月になる。
日本シリーズまで見据えるなら、10月末までの7か月で設計しなきゃいけない。
この1か月の差は、思っている以上に大きいはずだ。
ローテーションの回し方、主力orベテランをいつ休ませるか、若手を何月に上げるか、調子の山をどこに持ってくるか。
今年のDeNAは、一時は借金15まで沈んでいた。
主力が抜けた春先はほんとうに苦しそうで、正直こっちも「今年の横浜はないな」と思っていたくらいだ。
それが秋風が吹くころには、まるで別のチームになっていた。投手の顔ぶれも、打線のつながり方も、ベンチの声の出方まで10月仕様。
一方の阪神は、球団初のリーグ連覇という大きな山を真っ正面から登りきった。そこで力を出し切ったからこそ連覇があったわけで、それを責める気にはまったくなれない。
ゴールをどこに置くか。その選択の差が、甲子園の4試合にそのまま出た。そう見えたんだよね。
それに、カープファンとしてもうひとつ白状しておく。今年の夏、3位のDeNAが借金を抱えてもたついていたころ、「今年はCS行けるじゃろ」と確信していた。
それが17ゲーム差の4位。CSがなければ、たぶん夏の盛りに今季は終わっていた。
9月の終わり、4位と5位を行ったり来たりしていたあの数日だって、あの順位表を見てゲーム差を計算していたのは、どこかで3位の背中を追う気持ちが残っていたからだと思う。
それでも消えない違和感がある
もちろん、手放しで万歳とはいかない。
12球団のうち半分が出られる仕組みで、143試合の重みが薄まって見える瞬間は確かにある。
日本シリーズは本来、両リーグの王者が日本一を争う舞台だった。その原点を思えば、引っかかる人がいるのは当然だろう。
今季からは、10ゲーム差以上か、勝ち上がった側の勝率が5割未満なら、アドバンテージを2勝に増やすルールも入った。今年の阪神とDeNAは7.5ゲーム差だったから、1勝のまま。
制度のほうも、少しずつ手探りしているんだと思う。冬の国際大会まで続く選手の疲れを心配する声も、聞き流していい話じゃない。
それに阪神の連覇の価値は1ミリも揺らがない。それだけは、はっきり書いておきたい。
来年のカープは7か月ゴールの物語を描けるか
結局のところ、CSは「1位を軽くする制度」じゃなくて「秋の戦い方まで問う制度」なんだろうね。
ルールがある以上、その中で6か月と7か月の両方を描けたチームが最後に笑う。
続投が決まった新井監督には、ぜひその設計図を描いてほしい。
リーグ優勝を本気で狙いながら、10月にもう一段ギアを上げられる、そんなチーム。
春は我慢、夏は踏ん張り、秋に爆発。言うのは簡単だけど、それをやってのけたのが今年のDeNAであり、かつてのホークスだった。
いつかマツダスタジアムで、10月の夜風に吹かれながら、2017年のあの日とは逆の歓声を聞きたい。
CS不要論が出るのは、それだけ野球に本気な人がいるという証拠でもある。
来年の秋、その議論の真ん中にカープがいてくれたらそれでいい。


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