ローテの席が空くかもしれない~宮崎で投げる120球が来シーズンのローテを奪いにいく

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野村祐輔コーチ

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みやざきフェニックス・リーグで、カープが若手先発陣に「完投または120球」のノルマと投手主導の配球を課し、野村祐輔2軍投手コーチが来季のローテ争いへハッパを掛けた。

今シーズン規定投球回に届いたのは床田ひとりだけ。

この事実が、そのままカープのチーム成績を表してる。

しかもその床田とイニングイーターの森下が、そろって国内FA権の条件を満たしている。

冬の入り口で、曲げようのない現実はやけに重い…

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完投か120球 宮崎で課された宿題

宮崎では先発組の佐藤柳之介、斉藤優汰、齊藤汰直に「完投または120球」というノルマがかかっている。斉藤優汰は2試合で計235球、齊藤汰直は2試合で計249球を投げ、佐藤柳之介は四国IL選抜戦を1失点で完投した。

それだけじゃない。来季からNPBで本格導入されるピッチコムを使って、投手が自分でサインを出して配球を組み立てているという。

指導する野村2軍投手コーチの言葉は短かった。「若い力がローテ争いに入っていかないとチームが強くならない。来季の戦いはもうスタートしているのでね」

穏やかな口調が浮かぶのに、中身はなかなか厳しい。

もう秋季練習の顔じゃなくて、開幕前の顔をしているんだと思った。

野村祐輔2軍投手コーチが若鯉投手の闘志に火をつけることができるのか。

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211試合連続先発の男が教える 戻る場所の話

野村祐輔という投手を思い出してほしい。プロ初登板から現役最後の登板まで、211試合続けて先発のマウンドに立ったピッチャーだ。

剛速球で押すタイプじゃなかった。177センチの体で、外角低めへスッと吸い込まれていく真っすぐと、打者の目線をずらす変化球。

2016年の最多勝も、ねじ伏せた勝ちじゃなく、組み立てで積み上げた勝ちだった気がする。

腰も背中も痛めて、血栓の手術まで受けた。球速が落ちても、そのときどきの体で勝つ方法を探し続けた投手だった。

引退して最初の年、3軍コーチ兼アナリストとして大野の練習場にいた。

フォームを崩した投手や、調子を落とした投手が送られてくる場所だ。

そこで「野村再生工場」と呼ばれるようになった。雑誌のインタビューで読んだ話がいまも頭に残っている。

選手が来たら、まず本人の口から「いまどうなっているのか、どうしたいのか」を聞く。直すポイントはひとつに絞る。

いい時期のあとには必ず悪い時期が来るから、困ったときに戻れる原点をつくってやりたい、と。

その考え方で、育成の辻は軸足に体重を乗せることだけを2週間やり続けた。平均138キロ前後だった真っすぐが、紅白戦で150キロを出すところまで戻ってきたというから驚く。

宮崎の「課題ブルペン」は、選手がリーグ開幕前に自分で首脳陣へ出した課題に沿って投げ込むものなんだよね。

まず本人に言わせる。3軍で見せていたやり方が、そのまま2軍の先発育成に持ち込まれている。そう見えて仕方がなかった。

ピッチコムで自らサインを出すのも同じ流れだろう。捕手のサインに首を振るんじゃない。最初の1球から、自分の頭で打者と向き合うということ。

齊藤汰直は「走者を出してから受け身になって配球してしまった」と振り返っている。この反省すごくいいと思う。

ランナーが出て、セットに入ってピッチコムのボタンに指を置いたまま一瞬固まる。宮崎の秋の日差しの中だから、たぶんそんな時間があったんだろう。

その一瞬の迷いこそが、1軍の終盤で痛い目を見る場面だ。それを10月のうちに自分の言葉で言えたなら、もう半分は直りかけている。

斉藤優汰は、シーズン中にベストな状態で投げられることはそうそうないから、その中でも試合をつくれるようにと話していた。

120球目の腕の重さを、いまのうちに体に覚えさせておく。

野村コーチの現役時代も、ちょうどそういう投手だった。万全じゃない日でも6回までは崩れない。ベンチが計算できる先発。

若い3人は、野村コーチが一番得意だった勝ち方を、いま体ごと仕込まれているのかもしれない。そう思うと、宮崎の数字が急に違って見えてくる。

マツダスタジアムでの秋季練習では、玉村も一塁へのけん制を黙々と繰り返していた。

防御率2.64で2勝6敗。勝ち星に恵まれなかった左腕が、代走のランナーを刺すところまで磨こうとしているわけだ。

宮崎でもマツダスタジアムでも、ローテの空席を見つめている目がある。ミットの音がパンッと響くたびに、その数が増えていく気がした。

もちろん浮かれてばかりもいられない。今季は4位で借金17。打線もチーム打率.223と苦しんだ。

床田と森下の去就はまだ何も決まっていない。他球団が調査していると報じられているが、本人たちは熟考中で残ってほしいという気持ちがいちばんにある。

フェニックスリーグの120球と、8月酷暑のマツダスタジアムで投げる120球は別物だろう。1軍の打者は、受け身になった一瞬を絶対に見逃してくれない。

栗林と岡本が先発に回ってがんばってくれたとはいえ、ローテの柱を一気に何本も育てるのは簡単じゃない。だからカープファンとしては心配は尽きない。

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空いた席は 待っていても埋まらない

それでも、数年に一度しか来ない扉が開きかけているのは確かだ。誰かが抜けるかもしれない痛みと、誰かが飛び出してくる楽しみがこの冬は同じ場所にある。

佐藤柳之介の完投、斉藤優汰の235球、齊藤汰直の反省、玉村のけん制。どれも地味だが、どれも来春につながっている。

新井監督が欲しいのは、きっと「試合をつくれる」若い先発なんだろう。

7回を投げきって、平気な顔でベンチに戻ってくる投手。

野村祐輔が淡々と6回を投げて、静かにマウンドを降りていく背中。あの背中を見て育つ投手が、来年のマツダスタジアムに出てきてほしい。

春の宮崎や沖縄のブルペンでミットの音を聞くことになる。その音がそのまま開幕のマウンドまで続いていくのを見たい。

空いたローテーションの席は待っていでも自分にチャンスは巡ってこない。

奪いにいった者だけが手に入れることのできる特別な席だ。

【動画】待ちに待ったプロ初勝利 斉藤優汰の5回93球1失点に東京ドームのカープファンが歓喜した夜
巨人 1 – 6 カープ東京ドームのマウンドに立つ22歳の背中がきょうはいつもより大きく見えた。積んでるエンジンは最強の斉藤優汰、プロ5度目の登板でつかんだ待望の初白星。3連敗の重苦しい空気を、4年目の若鯉がその腕一本で振り払ってくれた。カープは5位、借金14。数字だけ見たらため息しか出ん状況じゃけど、こういう夜があるけえカープファンはやめられんのよ。初回、先頭の浦田に右中間への二塁打を打たれ、泉口の犠牲フライであっさり先制を許す。東京ドームの巨人ファンが沸いて、またこのパターンかと胃がキリッとなった。2者連続弾で空気を変えたモンテロと持丸じゃが、この日の打線はちゃんと応えた。2回、2アウトか...

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