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中日 3 – 7 カープ
マツダスタジアムのスコアボードに「7」の数字が灯ったとき、ため息とも歓声ともつかん声が胸の底から漏れた。
約1か月ぶりの連勝。ほんまに久しぶりすぎて、勝ち方をちょっと忘れとったんじゃないかと思うくらいじゃった。
5月1日ゴールデンウィーク前日金曜のナイター。28,127人が詰めかけたマツダスタジアムでカープは中日を7-3で下した。
今季3度目の2連勝で鯉のぼりの季節をどうにか白星で迎えた格好になる。
ただし、正直に言うておくとこの試合は中日の4つの失策に助けられた部分がかなり大きい。
勝ちは勝ちじゃが手放しで喜べるほどカープの地力が戻ったかというとそこはまだ怪しいと思うとる。
秋山が火をつけた先制と岡本駿の粘り
この日打線を引っ張ったんは1番のベテラン秋山。3回、5回、7回といずれもイニングの先頭打者として安打を放ち今季初の猛打賞。
新井監督も「大きかったね。やっぱりアキの安打、出塁が大きかったと思います」と認めたように、秋山が塁に出てそのあとを中軸が返すという形がようやくできた。
「先頭として仕事をしないとと思っていた。後ろが還してくれるのを期待して、出るのが1番の僕の仕事」 秋山はそう語った。
38歳のベテランがこの言葉を淡々と口にできることの重みをわしは噛みしめたい。
3回、秋山の左前打で出塁したあと勝田が送って2アウト三塁。ここで4番の坂倉がセンター前に弾き返して先制点を奪った。
坂倉は最近打席に入る前に左目をつぶるルーティンを取り入れとるらしい。
「打席での集中力には違いがあるかもしれない。一塁でも配球を考えながら守っているけど、捕手と比べると違う」 一塁での出場が打撃の解像度を上げとるんじゃろう。
この日も3打数2安打1打点、出場試合では6試合連続安打と状態は確かに上向いとる。
5回にはまた秋山が先頭で左翼線二塁打。1アウト三塁から小園がセンター前に運んで2-0。
新井監督が「彼らの前に得点圏という作戦です」と語った通り、秋山が出て中軸が返すという設計図がきれいに機能した回じゃった。
先発の岡本駿は5四球6安打と決して本調子ではなかった。毎回のように走者を出しては踏ん張る見ているこっちが胃の痛くなるような投球。
けど5回、2安打と四球で1アウト満塁の大ピンチを背負いながら、ボスラーをカットボールでセカンドフライ、木下をスライダーでショートフライに仕留めた場面は見事じゃった。
「全力でギアを上げられた。向こうも凄く打ち気だったので、そこで緩急を使えたのは良かったです」と岡本は振り返る。
23歳にしてこの観察眼は末恐ろしい。
7回の猛攻 ただし相手の自滅を忘れるな
2-1で迎えた7回裏、この試合の山場がやってきた。
秋山がこの日3本目の安打を右翼線に放って出塁すると、勝田のバントで1アウト二塁。
小園が四球を選んで1・2塁とし、坂倉も四球で満塁。
球場全体がざわつくなか、野間のサードゴロは本塁封殺かと思われたが、一塁手ボスラーの悪送球で2者が生還。
さらに佐々木泰のライトフライを鵜飼の悪送球で、もう1点。中日は守備からガタガタと崩れていった。
そして2アウト三塁で打席に立った平川がライト前にタイムリーを弾き返し、6-1。この回だけで一挙4点。
ただ冷静に振り返るとタイムリーは平川の1本だけで、残りの3点はすべて中日のエラーから生まれたもんじゃ。わしはここを正直に見つめておきたい。
4月のカープは10勝15敗1分で借金5。4連敗もあったしDeNA戦の開幕5連敗は65年ぶりという屈辱も味わった。
甲子園でもナゴヤでも勝てんかった。その苦しい1か月をようやく連勝で締めくくれたことは確かに嬉しい。
嬉しいが相手が自滅してくれた試合で安心しとったらいけん。
8回表には代打の土田にライトスタンドへ2ランを叩き込まれ6-3と詰められた。リリーフ陣も盤石とは言いがたい。
森浦は前日の巨人戦で本塁打を打たれとるし勝ちパターンの確立にはまだ課題が残る。
それでも、8回裏に途中出場の二俣が根尾の151キロの真っすぐを左翼席に叩き込んだ今季1号ソロは痛快じゃった。
「少ない打席の中でどれだけ自分のスイングができるか考えながらやっている。今日の内容は良かった」 と胸を張った二俣。
こういう控えの選手が結果を出せる試合はチームに勢いがつく。
岡本駿は6回途中1失点で降板し先発転向4度目にしてプロ2勝目先発初勝利を手にした。
遠藤から記念のウイニングボールを受け取ったとき満面の笑みじゃったそうだ。
「1勝できて本当にホッとしています。苦しい場面が多かったけど、何とか粘ることができて良かったです」
防御率1.42の右腕が白星を積み重ねていけばチームの浮上にも直結するはずじゃ。
新井監督は「粘り強く投げたと思う。先発に転向して初勝利。本人もうれしいんじゃないかな」と目を細めた。
5月が始まった。4月の借りを返すにはここから自分たちの力でもぎ取る勝利を重ねんといけん。
相手のミスに乗じた大量点ではなく投手が抑えて打者が打って走者を還す、そういうほんまもんの勝ちが欲しい。
セリーグ5位、首位の阪神とは6ゲーム差。まだ5月の頭、取り返せん差じゃない。
岡本駿の成長、秋山の復調、坂倉の打撃覚醒。明るい材料はちゃんとある。
あとはそれを相手が崩れん試合でも出せるかどうか。
5月のカープにわしは厳しい目と温かい祈りの両方を向けとる。
がんばれ!カープ!


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