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阪神 0 – 1 カープ
日曜日の甲子園で、1-0の完封勝ちじゃ。6回まで2安打9三振に抑え込まれとった試合を、たった1本のタイムリーでひっくり返した。
しかもこのカード、5カードぶりの勝ち越し。阪神相手に限れば、昨年4月の甲子園3連戦以来どんだけ待たされたか。
14勝22敗、借金9のチームがセリーグ2位の阪神から敵地で勝ち越しを決めたいう事実がきょうはもう何よりの肴になる。
岡本駿 甲子園のマウンドで見せた成長
正直に言うと、きょうの先発が岡本と聞いたとき少しだけ胃が重たくなった。
あの4月20日の甲子園を忘れとるカープファンはおるまい。坂本への危険球退場、藤川監督の激昂して警告試合。
あの日から約1カ月、同じ甲子園のマウンドに23歳の2年目右腕が立つ。
相手は絶好調の才木。防御率3.29、きょうも立ち上がりから3回までに7三振を奪う圧巻のピッチングでカープ打線はまるで手も足も出んかった。
けど岡本も負けとらんかった。
3回2死満塁。森下を迎えたあの場面、テレビの前で正座しそうになったわ。結果はセンターフライ。
4回もまた2死満塁。才木を遊ゴロに仕留めてゼロを守り抜いた。直球とツーシームを軸に、ていねいに低めを突き続ける投球は1カ月前とは別人じゃった。
6回3分の1を投げて4安打無失点。岡本は試合後、「前より落ち着いて投げられた」と語ったそうじゃが、その短い言葉にどれだけの覚悟が詰まっとったか。
ブーイングが飛ぶかもしれん甲子園へ逃げずに腕を振りに来た。わしはその姿勢だけでもう十分じゃと思う。
7回の執念 新井監督の勝負手と野間の一振り
0-0のまま迎えた7回。才木の球威はまだ衰えとらん。ここまで2安打まともにチャンスらしいチャンスすらなかった。
けど野球いうのは、ほんまに1球で景色が変わる。
先頭の坂倉が左越えの二塁打を放った瞬間、ベンチの空気が動いた。ノーアウト二塁。打席にはモンテロ。15日の阪神戦でソロを放っとる虎キラーじゃが、新井監督はここで動いた。代打矢野に送りバントを命じた。
4番の坂倉を二塁に置いて5番のモンテロを下げてまでバントさせる。
中軸を2人代えるちょっと尋常じゃない采配じゃった。矢野がきっちり送ると今度は三塁走者の坂倉に代走・辰見。是が非でも、この1点を取りに行くいう意志がベンチからほとばしっとった。
1死三塁。打席は野間。カウント2-0から、レフトへ弾き返した打球がグラウンドにポトリと落ちた瞬間、辰見がホームを駆け抜けた。
スコアボードに「1」が灯る。たった1点。されど、この日のカープにはそれで十分じゃった。
3打数1安打1打点。数字だけ見たら地味かもしれん。けど6回まで才木に封じ込められとった打線の中で、あの場面であの1本を打てる33歳のベテランがおるいうことがどれだけ心強いことか。
7回1死二塁で岡本に代わって登板した髙は甲子園のファンからブーイングを浴びた。4月26日、近本に死球を与えて左手首を骨折させた件がある。
じゃが、髙は代打・嶋村を投ゴロ、続く高寺を外角直球で見逃し三振に斬ってきっちり仕事を果たした。ブーイングを「受け止めながら」「できることをしないと、近本さんにも失礼」と語った髙の言葉が胸に響く。
8回はハーン、9回は中﨑が締めた。中﨑の今季5セーブ目。4人の継投で阪神打線を5安打完封に封じ込めたリレーは、きょうのカープの総力そのものじゃった。
日曜日に勝つのはほんまにええもんよ。
しかも敵地の甲子園で才木を相手に1-0の完封勝ち。5位のチームが2位の阪神に勝ち越して3時間2分の息詰まる投手戦を制した。
順位表を見れば借金9、首位ヤクルトとは遠い。
きょうの試合には数字では測れんもんがあった。岡本の成長と新井監督の執念と、野間のバットと、髙の覚悟と。
あしたから1週間が始まる月曜日、ちょっとだけ背筋が伸びる気がする。
缶ビールがいつもより旨い日曜の夜、カープはまだまだこれからじゃ。


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