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カープ 0 – 4 ヤクルト
5月の青空が広がるマツダスタジアムで32,146人が声を枯らす場面は最後まで来んかった。
14時に始まったデーゲームはわずか2時間45分で終わった。
たったの2安打。今季6度目の完封負けでカープは2025年4月以来の最下位に転落した。
借金は今季ワーストの8に膨らんだ。開幕3連勝がまるで別のチームの話みたいで32試合目にして6位。
順位表の一番下に「広島」の文字があるのを見て胸の奥がぎゅっとなるわ。
ヤクルト戦は今季1勝6敗。7試合でわずか7得点しか取れとらん。
相性が悪いなんて言葉じゃ済まん、もはや深刻な「燕アレルギー」じゃ。
投手に打たれた2回 併殺で潰れた反撃の芽
先発の岡本は1回を三者凡退で切り抜け悪くない立ち上がりに見えた。
じゃけど2回、内山への四球から崩れていく。2アウトまでこぎつけたものの澤井にライトへの二塁打を許して二、三塁。
ここで打席に立ったのが8番の投手、松本健。1-2と追い込みストライクを投げる必要のない状況で、なぜか真ん中に投げた直球をレフトへ弾き返された。0-2。
前日の森下も投手の高梨にタイムリーを浴びたばかりで2試合連続で投手にタイムリーを許すという屈辱じゃ。
新井監督は「スイングするところに投げている感じだった。そこら辺も含めてまた次につなげてもらいたい。先発初めてだしね」と、まだ23歳の右腕をかばった。
その裏、カープにもチャンスは来た。先頭の坂倉が四球で出て菊池も四球。ノーアウト一、二塁。この2点を追いかけるには最高の形じゃった。
ところが、平川が空振り三振に倒れると持丸はファーストゴロ併殺打。一瞬で3アウト。
マツダのスタンドからため息とも怒りともつかん空気が漏れた。
2回の攻撃が終わった時点で、わしはもう嫌な予感がしとった。
4回にはさらに突き放される。武岡のセンター前ヒットで走者を出すと澤井がカウント2-2から右中間へ運んだ。
今季1号の2ラン。0-4。岡本にとっては自己ワーストの4失点で、6回104球を投げて降板した。
6回までノーヒット 7回に灯ったわずかな光
松本健という投手にカープ打線は完全に封じ込まれた。6回まで安打はゼロ。三者凡退が6イニング中5回。
ノーヒットノーランを意識させるほどの支配力で、打席に立つ選手たちがどこか窮屈に見えた。
ようやくチーム初安打が出たのは7回。先頭の野間が外角低めの落ちる球を泳ぎながらもセンターへ運んだ。スタンドが一瞬だけ息を吹き返す。
小園がライトフライ、坂倉はショートゴロ併殺打。希望の芽が出たと思った瞬間にダブルプレーで摘み取られる。
きょう何度目の併殺じゃろうか。この日カープは結局、2つの併殺打で好機をすべて潰した。
8回も9回も反撃の匂いすらせんまま試合は終わった。9回裏、清水の前に代打のモンテロがハーフスイングで三振を取られた場面が、この日のカープを象徴しとるようじゃった。
勝田がライト前に意地のヒットを放ったが後が続かず。最後は野間のセカンドゴロでゲームセット。
松本健は8回をわずか1安打無失点、7奪三振。しかも自らバットで2点タイムリーまで放っとるんじゃから手も足も出んかったと言うしかない。
新井監督は「まだ先は長いし、まだまだここから。我慢して、辛抱して、上にいくしかない訳だから。また明日から一戦一戦、頑張っていきたい」と話した。
最下位転落を突きつけられてなお前を向く言葉に救われるような、けれど苦しいような、複雑な気持ちになるわ。
0-4の完封負けで最下位。数字だけ見たら、どうやって前向きになれっちゅうんじゃと思うわ。チームの打率も得点力も上がらんし、投手陣も要所で踏ん張れんし、併殺で攻撃が死ぬ場面がいつまでも続く。
ほいじゃが明日がある。明日は母の日。そしてドラフト5位のルーキー赤木がプロ初先発のマウンドに立つ。
8人きょうだいを育て上げた母の恵美さんがスペシャル始球式を務める。
赤木は「1軍で投げると言ったら、びっくりしていた」と笑い、母の始球式については「運動神経はいいと小さい頃から聞いてたので、いけるんじゃないかなと思う」とエールを送った。
母が投げて息子も投げる。こんな巡り合わせ、そうそうあるもんじゃない。
最下位に落ちた翌日に22歳のルーキーが母ちゃんの前で初先発。
できすぎた脚本みたいじゃけど、こういうドラマがあるからプロ野球はやめられん。
赤木は「チームが勝てる投球を1番に心がけてやっていきたい」と力を込めた。
その言葉を信じたい。
きょうの2安打の沈黙が嘘みたいに明日のマツダが歓声で揺れる景色をわしはまだ諦めとらん。


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