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阪神 1 – 5 カープ
甲子園のスコアボードに「5」が灯った瞬間、少ししかないビジター席から湧いた歓声がアルプスの向こうまで届くようじゃった。
前日の横浜で5時間21分の死闘を演じ延長12回を引き分けた足で甲子園へ移動してきた選手たちが、憎き大竹耕太郎を3回でマウンドから引きずり降ろした。
通算3勝16敗、何度やられても勝てんかった左腕にカープはついに初めての2連勝を突きつけた。
きょうの1勝はただの1勝じゃない。タフな日程をものともせんかった選手たちの意地が詰まっとる。
3回 4連打から始まったビッグイニング
0対0で迎えた3回、口火を切ったのは投手の森翔平じゃった。
カウントを粘って左前に運んだ一打はベンチにも火をつけたはずよ。続く名原がレフト線を破る二塁打でノーアウト二三塁。ここから打線が爆発する。
大盛がセンター前に弾き返して先制点。「翔平をしっかり返そうと思って打ちにいきました。先制点に繋がってよかったです」
大盛の一打で空気が変わった。菊池がチェンジアップを捉えてライト前に落とし、2点目。
「良い流れで回してくれたので、良い形で後ろにつなぐことができて良かったです」と36歳のベテランは淡々と振り返った。
坂倉が二ゴロに倒れて1アウトになったけど、流れは止まらん。
小園がライト前に3点目を叩き出し、「良い流れに乗っていきました」と短い言葉に充実感をにじませる。
そしてトドメはモンテロじゃ。レフトフェンス直撃の2点タイムリー二塁打。
「みんなが繋いで繋いでチャンスで回してくれたので、何とかランナーを返したい気持ちでいきました。良い反応で振り抜くことができました」
大竹キラーの面目躍如、一挙5得点のビッグイニング。防御率2.18を誇る左腕をわずか3回8安打でKOしてみせた。
4連打を含む6安打の集中打。打者一巡の猛攻で甲子園の空気をまるごとひっくり返した3回じゃった。
森翔平 7回2安打1失点の快投で今季初白星
打線が5点を奪ってくれた後のマウンドはさぞかし気持ちよかったじゃろう。先発の森翔平がほんまに見事な投球を披露してくれた。
7回を投げてわずか2安打1失点。阪神の強力打線を相手に許した安打は1回の森下翔太の左前打と、5回に前川に浴びたソロホームランの時のものだけ。
打率.344の佐藤輝明を3打数ノーヒットに封じ込め、初回の第1打席では見逃し三振、9回の最終打席は遊ゴロ、最後の打席も森浦が空振り三振に仕留めた。
中野、大山といった好打者にもほとんど仕事をさせんかった。
わしは正直なところきょうの登板が不安じゃった。ほんと言うとまったく信用しとらんかった。
今季ここまで5登板で0勝0敗、防御率2.30と数字は悪うないのに勝ちがつかん。そんな左腕が横浜からの移動明けで甲子園のマウンドに立つ。条件は決してよくない。
じゃけど、森は堂々としとった。走者を出しても動じん。3回裏にはノーアウトから四球を出す場面もあったが、中野を併殺に仕留めてピンチを切り抜けた。
4回以降はほぼ完璧で阪神打線に付け入る隙を与えんかった。
6登板目にしてようやく手にした今季初勝利。
この白星には重みがある。ファームと一軍を行き来しながら腐らずに準備を続けてきた28歳の左腕が敵地でつかみ取った勲章じゃ。
8回からは遠藤がマウンドに上がり、代打の福島、木浪、榮枝を3人で片づけた。
9回は森浦が締めて、投手陣は盤石のリレー。
阪神打線をわずか2安打に抑え込んだ投手陣全体の仕事ぶりはほんまに頼もしかったわ。
9回に菊池が右手指先の出血で途中交代するアクシデントがあったのは少し心配なところじゃが試合は5対1のまま逃げ切り。
2時間52分、テンポのええ快勝じゃった。
前日に5時間を超える激闘を戦い、翌日の移動ゲームでこの快勝。選手たちの底力を見せつけてくれた。
天敵大竹に初の2連勝。この事実は数字以上にでかい。苦手意識がひっくり返る瞬間を、甲子園の三塁側で目撃したファンはきっと忘れんじゃろう。
カープはここから甲子園でまだ2試合ある。この勢いのままカード勝ち越しを取りにいってほしい。
森翔平がつかんだ初勝利の炎をあしたにつなげ。


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