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ヤクルト 3 – 4 カープ
9回2アウト満塁、カウント3-1。マツダスタジアムの2万4千の視線が、代打・モンテロのバットの先に集まった。
そして、外れた4球目。押し出しの四球で、決勝点がホームを踏んだ瞬間、マツダスタジアムの空気が一気に大爆発。
前夜の坂倉の逆転サヨナラ2ランに続いて、2夜連続のサヨナラ勝ち。
3位ヤクルトとのゲーム差は5.5まで縮まった。
ここんとこ、ほんまにこのチームは何かが違う。
初回、いきなり増田にレフトへ運ばれた。
先頭からじゃないとはいえ、2アウトからのソロで先制されると、正直「またか」いう嫌な予感が胸をよぎった。
アクシデント連発の序盤を鈴木健矢が救う
ところがこの試合の本当の試練は、点よりも先にベンチに降りかかってきた。
2回1アウト、先発の玉村が岩田の1・2塁間の当たりに1塁ベースカバーへ走った、その一瞬。足を痛めて、そのままトレーナーと下がってしもうた。
さらに3回の守備からは、遊撃の小園までベンチへ。2回の一ゴロの場面で何かあったらしい。
序盤で先発と主軸内野が同時に消えるいう、なかなかしんどい状況じゃった。
しかし、ここで手を挙げたのが緊急登板の鈴木健矢よ。
2回2アウトのマウンドから、六回まで4回1/3をたったの1安打無失点。3奪三振でヤクルト打線を眠らせた。
正直、防御率だけ見りゃ調子は決してええほうじゃなかった。それでも、こういう出番でしっかり仕事するあたりが玄人じゃのう。
彼のリリーフがなかったら、この試合はどこかで崩れとったわ。
4回裏、菊池のレフトへの適時打で1-1の同点。
地味じゃが、こういう一本を返せるベテランがおるのは大きい。
玉村降板の重い空気を、菊池がすっと軽くしてくれた。
ファビアンのバックスクリーン弾で戦況が反転
7回、事態が一気に動いた。
3番手・遠藤が1アウト満塁のピンチを背負うと、9番・奥川に勝ち越しのショートへの内野安打。
続く内山にも犠飛を許して、1-3。
負けた、と思うた人も多かったろう。わしもテレビの前で頭を抱えたわい。
じゃがその裏よ。
2アウト1塁からファビアンが、奥川の投じた1球をバックスクリーン左へ叩き込んだ。7号2ラン。
あのバックスクリーン横の一番深いところへ突き刺さった打球の伸びは絶好調以外のなにもんでもないわ。
奥川は試合後、 「勝つべき試合だった」「もう少し丁寧にいっても…」 と悔しさをにじませたが、あの一発は投手からすりゃ悪夢そのもんじゃろう。
マツダスタジアムの夜空を切り裂く、真っ直ぐに伸びる白球。あそこで試合が完全に振り出しに戻った。
同点のまま、鈴木からハーン、そして森浦へ。継投は綱渡りに見えて実は緻密じゃった。
9回裏、2アウトから満塁のチャンス。
ここで新井監督がベンチから送り出したのが代打・モンテロ。
相手マウンドの星は、この日絶不調気味の右腕。
カウント3-1、外れた5球目。球審の右手は上がらんかった。押し出しのフォアボール。
派手なホームランじゃない。じゃがボール球を振らずに待ち切った、あの粘りに全部が詰まっとった。
森浦が今季4勝目。7-8番でつないだリリーフ陣の意地と代打陣の集中と、負傷交代した者たちの想いとぜんぶが積み重なって出た1点じゃ。
あした勝って3連勝スイープ
順位はまだ5位。上位との差は簡単に埋まるもんじゃない。
それでも、3位ヤクルトから同一カード2連勝、しかも連夜のサヨナラいうのは、数字以上の重さがある。
あちらさんはこれで6連敗、貯金1まで転がり落ちた。
あした勝てば、まさかのスイープじゃ。落ち目の3位と、じわじわ上向いてきたカープ。
潮目いうのは、こういう夜に静かに変わるもんじゃと思う。
玉村と小園の状態が気になる。今夜の勝ちを、明日の戦力低下でチャラにしとうない。
じゃがベンチには佐々木泰も勝田も、モンテロもおる。層の薄さをみんなで補うんが今のカープよ。
七夕の夜が奇跡なら、その翌日は執念。
マツダスタジアムの夜風がカープファンの目を覚させた。
この勢いのまま、明日もぶちかましちゃれ。


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