そがいな足があったんか!?辰見鴻之介の爆速二盗と代打モンテロで精一杯の同点延長引き分け

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辰見鴻之介

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阪神 2 – 2 カープ(延長12回引き分け)

1点を追う9回表、カープは5人を送り込んで試合を振り出しに戻した。

土壇場とはこういうことを言うのか?

8回裏に小幡の押し出し四球で勝ち越しを許し、1-2で迎えた9回表。観衆4万2千を超えた甲子園のマウンドには岩崎が立っていた。

誰もが「きょうもこれで終わりか」と思い始めたあの空気の中でカープベンチが動き始めた。

菊池が代打で登場し粘って四球をもぎとった。ノーアウト一塁。ここで新井監督が迷わず辰見鴻之介を代走に送る。

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初球スタート 甲子園が息をのんだ

岩崎がけん制を一度入れる。梅野とバッテリーを組んで当然警戒している。それでも辰見は動じんかった。初球、完璧スタートを切った。

ヘッドスライディング。余裕のセーフ。

「いきなりきましたか。脚力も見事。回転も速い。素晴らしい選手ですね」と解説者が声を上げたほどあの盗塁は圧巻だった。

ネット上でも「これは周東クラスの速さ」「辰見おらんかったら負けてたからね」と騒然となった。

今季6試合でここまで5盗塁、失敗はゼロ。セ・リーグ盗塁数リーグ3位タイという数字があの初球に凝縮されとった。

現役ドラフトで楽天から広島に来た男が、こがいな走りをするとは正直なところ誰が想像しとったじゃろうか。

佐々木がプロ初の送りバントを決めて1死三塁。ここから新井監督は畳みかける。

「九回に点が入らないと終わり。塁に出たら、どんどんつぎ込んでいくと決めていた」。まさにその言葉どおり中村奨成を代打に起用した。

残念ながら空振り三振。2アウトになった。

モンテロの一打が9回の崖っぷちに灯をともした

2死三塁。三塁に辰見がいる。持丸に代えて代打モンテロ。

内角への球を叩いた打球はピッチャーを強襲した。三塁走者の辰見がためらわず本塁へ突っ込む。生還。2-2。

あの瞬間胸が震えた。きれいな長打でも劇的なホームランでもない。ピッチャーへの内野安打。

それでも同点に追いついたんじゃという事実は、勝利と同じくらいの熱を持っとった。

この9回だけで代打と代走を合わせて5人を注ぎ込んだ。延長12回には石原と矢野が守備固めで出場し最終的にベンチの野手を全員使い切った。

勝負は4時間58分の末に引き分け。今季初のドローじゃ。

新井監督はルーキー齊藤汰直の投球についてこう言うた。
「いや本当によくまたいで、よくしのいだと思います」。

チームの現状を問われると「苦しい時こそみんなで戦っていきたいと思います」と口にした。

今のカープは5位じゃ。7勝13敗1分け、首位ヤクルトとのゲーム差は大きい。打線も、得点力もまだ本調子には程遠い。それはわしにも分かっとる。

けれど、あの9回表を見た。

1点を追いかけて代打を次々と送り込んで足でかき回して、最後はピッチャーへの内野安打で同点に追いついた。その泥臭い意地がいまのカープに確かにある。

「少しずつだけど、投手も野手も状態が上向きつつある」と新井監督は言うた。そう信じたい。いや、信じるしかないんじゃ。

甲子園の午後は引き分けで終わった。でも辰見の初球スタートとモンテロの一打はわしの記憶にしばらく残り続けると思う。

こういう試合をひとつひとつ積み重ねながらカープはまた上を向いていく。それだけは確かじゃわ。

打てんのよ ほんまに打てんのよ それでもモンテロの一発チーム初ホームランに震えた夜
阪神 4 - 2 カープ開幕3連勝からの3連敗。この2文字の並びがぶち重たい。カープは4月3日マツダスタジアムに阪神を迎えた。昨季6勝19敗と大きく負け越しシーズン終盤には10連敗まで喫した相手じゃけえカープファンの胸にはどうしたって苦い記憶がちらつく。しかもこの日までのチーム打率は.197。本塁打はセ・リーグで唯一の0本。盗塁も0。数字だけ見ればほんまに寒い。28,003人が詰めかけたマツダの夜空にどうか一発の花火をと祈るような気持ちがあった。村上の術中にはまった5回と 初回の痛恨試合は初回から動いた。先頭の近本に左前打を許し送りバントで1アウト2塁。3番森下がセンターへ弾き返しあっさり先制...

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