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阪神 0 – 2 カープ
昼間のニュースが胸に刺さって抜けんかった。
広島地裁から届いた元カープ選手・羽月隆太郎被告の初公判。
そして法廷で放たれた「周囲に吸っているカープ選手もいた」という証言。
借金8のチーム成績だけでも十分しんどいのにその上にこれか、と。
スマホの画面を閉じてもうきょうは野球を見る気力がないかもしれんと思うた。
鈴木清明球団本部長が甲子園で「再調査します」と言うたらしい。
ほんまにどこまで根が広がっとるんか考えるだけで気が重い。
そんな金曜の夜、甲子園のマウンドには栗林良吏がおった。
モンテロの一振りが沈黙を破る
相手先発は天敵・大竹。甲子園での広島戦は8試合で6勝0敗という思い出すだけで胃が痛くなるような左腕じゃ。
序盤は案の定ゼロが並ぶ。3回まで両軍無得点じりじりする展開が続いた。
4回、2アウト走者なし。打席にモンテロが入る。
カウント1ボールからの2球目、大竹が投じた122キロのスライダー。内角高めに入ってきたそのボールをモンテロは一振りで仕留めた。
打球は高く舞い上がりレフトスタンドの中段に突き刺さる。飛距離133メートルの特大弾。
甲子園の鯉党が一斉に立ち上がった瞬間、わしはようやく息ができた気がした。
モンテロは試合後「甘く来たところをしっかり一振りで捉えることができた。栗林が頑張ってるから先制点を取れてよかった」とコメントしとる。
この男は打つだけでなく仲間のことをちゃんと見とる。
6回には1死三塁から小園が中前へ適時打を放って追加点。
「いい反応で、コンパクトに対応することができました」と振り返った兵庫出身の若武者が地元・甲子園で意地を見せた。2-0。
栗林には十分すぎる援護じゃった。
9つのゼロを刻んだ右腕
初回、三塁手・坂倉の失策と大山の右前打で2死一、三塁のピンチを背負ったとき正直また今日もかと思うた。
けど栗林は中野をセンターフライに打ち取って、すっと息を整えた。
ここからが圧巻じゃった。2回から8回まで、7イニング連続の三者凡退。23人連続でアウトに仕留めた。
140キロ台中盤のストレートにカットボール、フォーク、カーブ、スライダーを織り交ぜて今季開幕から39試合連続で得点を記録してきた阪神打線を完全に沈黙させた。
9回に四球を出して甲子園が一瞬わっと沸いたが、最後のバッターもきっちり仕留めて試合終了。
120球、9回1安打9奪三振の完封。3月29日の中日戦に続く今季2度目の1安打完封で4勝目を挙げた。
シーズン2度の1安打以下完封は、球団では1972年の外木場義郎以来54年ぶりの快挙らしい。
試合時間わずか2時間28分。テンポよくポンポンと投げ込む栗林の姿はもはや守護神時代の面影とは別人のようなエースの風格があった。
敵地のヒーローインタビューで栗林は「うれしいです」と笑いこう続けた。
「今日はワールドカップの日本代表メンバー発表だったんで、どんな投球をしてもニュースにならないだろうと思っていました」
さらに阪神が今季無得点試合なしだったことに触れて「昨日か一昨日の記事で見たので、そういう意味では凄くうれしい」とほおを緩ませた。
9回の四球については「ちょっと最後の四球が阪神ファンの皆さんがすごく盛り上がったんで怖かったですけど、最後抑えられて良かったです」と胸をなで下ろしとった。
ユーモアも度胸もこの男はほんまに持っとる。
連敗を止めるのは今季4度目。
もう「連敗ストッパー」なんて言葉じゃ足りん。栗林良吏はいまこのチームの大黒柱じゃ。
あの昼間のニュースでカープという看板にまた泥がついた。それは事実じゃし目を背けちゃいけん。
再調査の行方も気がかりじゃけど、きょうの甲子園には泥をかぶったユニフォームを自分の腕で洗い流そうとする男たちがおった。
モンテロの特大弾も、小園の適時打も、辰見のプロ初ヒットも、持丸のリードも、全部がひとつになった2-0。
たった2得点。されど途轍もなく大きな完封勝利。
借金はまだ8ある。順位表を見りゃ5位のままで首位ヤクルトとは遠い。
それでもきょう甲子園のスコアボードに並んだ9つのゼロが少しだけ胸の重さを軽くしてくれた。
ありがとう栗林。
あしたは、森下VS村上。
何があっても完封返しは喰らわんでぇ~
森下暢仁よ、栗林良吏に続け!


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