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巨人 1 – 3 カープ
坂倉の打球がライトスタンドに届いた瞬間、マツダスタジアムが大騒ぎ。
9月も残り1週間を切って、カープの順位は変わらず6位。
前日は床田で巨人に1-2と惜敗。
先発の森下暢仁は中5日での登板。相手は巨人の西舘勇陽、防御率2点台半ばの好投手。
19,883人のスタンドは寂しいけど、しっかり現地観戦で応援してきましたよ!
3回までの沈黙 そして4回に動いた空気
森下の立ち上がりは、決して楽ではなかった。初回、松本にいきなりライト前に運ばれて、2番泉口、4番ダルベックと続く打順は息が詰まる。
だが、森下は丸を空振り三振、泉口も空振り三振、ダルベックには8球粘られながらも最後は見逃し三振。108球の力投の片鱗が、もう初回から見えていた。
一方でカープ打線は、西舘の前に何もできず。
1回、佐藤啓介が空振り三振、辰見が空振り三振、中村奨成もワンバウンドの球に空振り三振。三者連続三振です。
2回も坂倉の見逃し三振から始まって、三者凡退。じりじりする時間が続きます。
3回、2アウトから清水が四球で出て、佐藤啓介がライトへ詰まりながらもヒット。2アウト1、3塁。ここで打席に辰見。一打先制の場面で、空振り三振。
スタンドから「あー」が漏れた。
4回表は巨人に松本のツーベース、泉口の内野安打でノーアウト1、2塁のピンチを作られても、森下はダルベックをキャッチャーファウルフライ、大城をライトフライ、増田を空振り三振で切り抜けてくれた。
あの踏ん張りがなければ、この試合はまったく別の流れになっていたはず。
4回裏。先頭の中村奨成がレフトへ鋭いツーベースを放ちます。ボールが外野の芝を転がっていくのを見ながら、スタンドが湧いた。
ノーアウト2塁。打席には4番、坂倉将吾。
坂倉の14号 あの打球の行方
カウント1-1から、西舘のインサイド寄りの球を坂倉がフルスイングで叩き打った瞬間わかる弾道。
ライトスタンドに向かって伸びていく白球を、スタンドの全員が目で追った。14号先制2ランホームラン。
坂倉は試合後、「いい感じで振り抜けた」と。それから「森下が裏で『打て、打て』うるさいので、やっと打ててよかったです」。笑いながらそう言った。
森下のほうは「サクが打てば自分も勝てるので、やっと打ってくれたなという気持ちです」
試合は2-0のまま5回を過ぎ、6回表。1アウトからダルベックが右中間へ25号ソロ。2-1。球場の空気が一瞬、ひやっとした。長打力のある打者に一発を許すと、流れが変わりかねない。
でもカープはすぐに反撃。その裏、中村奨成が死球で出塁し、佐々木泰が四球を選んで1、2塁。
末包はキャッチャーファウルフライに倒れて2アウトになったけれど、ここで7番・勝田成がライトへ弾き返すタイムリーヒット。3-1。
西舘はこの打席を最後にマウンドを降りる。
新井監督は試合後、勝田について「日々少しずつではありますけど、成長してくれていると思います」と語った。
清水叶人の長い長い8回 そして佐々木泰の宿題
ただ、この試合はきれいに勝ちました、とだけ書いて終わるわけにはいかない。
勝田のタイムリーの場面で、1塁走者の佐々木泰が二三塁間に挟まれて走塁死。3-1にはなったけれど、あそこはもう1点取れたかもしれない場面。
さらに8回、末包がレフトへツーベースを放ったとき、1塁から本塁を狙った佐々木泰がヘッドスライディング。リクエストの結果もアウト。
あのスライディングは体が反り返って、着地が一瞬遅れたように見えた。
佐々木泰は打撃で存在感を見せているだけに、もったいない。
走塁の判断は経験で磨かれるものだから、きっとこの日の悔しさが糧になると信じたい。
7回は遠藤が三者凡退。そして8回、マウンドには大瀬良大地。2点差を守る場面で、ベテランの腕が唸ります。
丸を空振り三振、松本を9球粘られたけれど最後は空振り三振。ストレートが151キロまで出ていた。
ただ、この8回に事件。松本の打席中、ファウルチップが清水叶人の右手に直撃した。
清水は治療を受けてマスクに戻ったけど、直後のダルベックの打席で2球続けてパスボール。
走者が3塁まで進んでしまった。23日に今季初昇格、この日が初のスタメンマスク。その緊張と痛みの中で、どれだけ怖かっただろうと思う。
それでも大瀬良がフルカウントからダルベックを空振り三振に仕留めてくれた。ミットにボールが収まった瞬間、清水が小さくガッツポーズをしていたのが忘れられない。
大瀬良は「起こってしまったことは仕方がない。カバーする気持ちで投げた」と。
35歳のベテランが、22歳の若い捕手の背中を守った1イニングだった。
翌日、その清水の右手骨折が発表されています。あの場面で痛みをこらえて前を向き大瀬良を信じた耐えた。その事実だけで十分。
9回は森浦が三者凡退で締めて22セーブ目。気持ちの良い勝利だった。
新井監督は中5日で投げた森下について「本当に何も言うことはありません」と言い切っている。7勝はエースが背負うには足りない。けれどこの夜の108球には、数字には表れない説得力があった。
5位ヤクルトとのゲーム差が0.5に縮まったと聞いても、順位表を見てため息が出る現実は変わらない。
でも坂倉の打球がスタンドに届いた瞬間の歓声とか、大瀬良が清水の前に立ちはだかったあの8回を乗り越えた事とか、そういう場面が一つひとつ積み重なって、シーズンの記憶になっていく。
残り試合は少ないけれど、こういう試合がある限り、あしたもテレビの前に座る理由になる。


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