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巨人 2 – 3 カープ
マツダスタジアムの巨人4連戦、最後の金曜ナイター。
優勝争いの渦中にいる相手に対して、カープはこの4連戦を3勝1敗で勝ち越した。
順位表だけを見れば消化試合と呼ばれてもおかしくない。でもこの日のマツダスタジアムには、消化試合の空気なんてどこにもなかった。
先発のマウンドに立ったのは、ルーキー右腕の赤木晴哉。
この日はブルペンデー。3イニングを任された1番手が、この試合の流れを決めることになる。
対する巨人の先発は10勝の井上温大。正直、打線の力を考えれば簡単にはいかない相手だった。
まあ、最近巨人の打線はヘロヘロなの逆転優勝の緊張でカチンコチンなのか、まったく機能していません。
赤木の62球 そして勝田のバットが動く
初回、赤木はいきなり泉口にショート内野安打。1アウト1塁でダルベックを迎えた場面は、見ていて肝が冷えた。ここで空振り三振、フォークが効いていた。
前回登板の中日戦では1回4失点と打ち込まれていたから、本人も相当修正してきたんだろうね。
2回表が、ちょっとした山だったかな。笹原に粘られて四球、吉川にライト前へ運ばれ、門脇の打球を勝田がファンブルして2アウト満塁。
スタンドに重たい空気が漂った。だけど最後の打者松本をショートゴロに仕留め無失点。
赤木本人は「前回登板を修正できた結果、ゼロで抑えられた」と振り返っていたけれど、あの2回の満塁をゼロで切ったのが大きかった。
3回も大城にレフトへ二塁打を浴びながら後続を断ち、3イニング62球、被安打3の無失点。勝ち投手の権利こそつかなかったけれど、ブルペンデーの先陣としてはこれ以上ない仕事だったと思う。
そして、この試合の主役はやはりこの男だ。
2回裏、坂倉がセンター前で出塁し、佐々木泰のサードフライ、佐藤啓介のボテボテの投手ゴロで2アウト2塁。
正直、ここで切れるかなと思ったけど、打席には7番の勝田成。初対戦の井上に対して、カウント1-0からの2球目。内角のツーシームに詰まりながらも、バットの先でライト前に落とした先制タイムリー。
詰まっていた。完璧な当たりじゃない。でもね、あの打球がフェアゾーンに落ちる瞬間の歓声は、クリーンヒットのそれとなんら変わらなかった。
狙いを絞って、短く持ったバットで食らいついた結果だった。
マツダスタジアムに響く宮島さんの大合唱が心地よい
163センチが放った3本目 止まらないルーキーの勢い
4回裏、坂倉がセンターオーバーの二塁打を放って再びチャンスを作る。この日の坂倉は4打数3安打。さすが4番の仕事だった。
2アウト2塁で、また勝田に打席が回る。
ここからの粘りがすごかった。9球も投げさせ、最後は変化球を三遊間へ。
遊撃手の泉口が捕って一塁に送球するも、これが悪送球。2塁走者の坂倉がホームに還り、2-0。
記録は内野安打とエラーだけれど、9球粘ってあのコースに打てること自体がもう偶然じゃない。
7回、井上がまだマウンドにいた。2アウト走者なしで打席に入った勝田は、今度はきれいにセンター前へ弾き返す。3打数3安打、今季3度目の猛打賞。
たまらなかった。
この4連戦の勝田の数字を並べると、ちょっと目を疑う。13打数8安打3打点。タイムリー2本にサヨナラ犠牲フライ1本。守備だって文句のつけようがない。打率は長く1割台に沈んでいたのが、一気に.211まで上がってきた。5試合連続安打は自己最長を更新中。
好調の要因を聞けば、阪神の中野を参考にしたコンパクトな打撃フォームだという。
「力まず打席に立つ。脇を畳んでスイングする」
同じ左打者の動画を研究して、自分のものにした。現役NPB選手で最も小さい163センチ。
幼い頃はスパイクすら最小サイズで2センチ大きかったらしく、両親がメーカーに特注のインソールを頼んでくれたという話にはなんだか胸が熱くなった。
新井監督は「スイングのキレが増している。打席を重ねるごとに成長している」と言った。
「試合に出て数多く打席に立つ、守備につくことで身体も少しずつできてきている」とも。
背番号0のルーキーを、しっかり見ている目だった。
あとは、プロ初ホームランだけ。
6人のリレーと坂倉のダメ押し そして最後の綱渡り
赤木が3回で降りたあとは、森、遠藤、ターノック、大瀬良、森浦の5人がマウンドをつないだ。
4回から登板した森は2イニングで被安打3、5回に大城のタイムリーで1点を返されたものの、踏ん降りた。
遠藤が6回を三者凡退、ターノックが7回を三者凡退。この2イニングの完璧なリレーが、試合のリズムを渡さなかった。
8回裏、カープに追加点が入る。ファビアンが振り逃げで出塁し第そう辰見、菊池が送りバント。末包がレフト前に運んで2アウト1、3塁。ここで投手交代、森田に代わったところで坂倉がライト前にタイムリーで3-1。
新井監督が「数少ない得点を、よく投手がつないでくれた」と振り返った通り、わずか3得点の試合で坂倉のこの1打は本当に大きかった。
9回表、森浦がマウンドに上がる。吉川にセンター前を打たれ、暴投で2塁に進まれ、坂本にセンター前。
1アウト1、3塁から平山に盗塁を決められて2アウト2、3塁。泉口のセカンドへの内野安打で1点差。
さらにダルベックが打席に入る。ここなんだよ、勝負どころは。セカンドゴロ。菊池が捌いて、試合終了。
ふう~~~
お立ち台に並んだのは赤木と勝田だ。同期のルーキーふたり。
勝田は「やっぱりうれしいです」と笑い、「一戦一戦、頑張りますので最後まで応援お願いします!」とマイクに向かって言った。
赤木も何度も白い歯をこぼしていた。
くすぶっていた打撃が花開いたルーキーと、前回の失敗をきっちり修正してきたルーキー。
この先に何が待っているか、来年どんな選手になっているか。
期待しかない!
シーズンは残り8試合。4位になれればいいね。カープファンの気分はもう来シーズンに向いとるんよ。
マツダスタジアムではすでに来シーズンへ向けて選手の競争が始まっとるけえね。


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