10/26ソフトバンク戦 130球の完封劇 佐藤柳之介が宮崎で見せた左腕の覚悟と久保修の一発

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佐藤柳之介フェニックスリーグ

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ソフトバンク 0 – 3 カープ

こういう試合が見たかった。

月曜の昼下がり、宮崎・天福球場。フェニックスリーグもあと数日で幕が下りるというこの日に来年のカープの輪郭がくっきり浮かんだ気がした。

今季は4位で借金17。秋風がしみる数字だ。

だからこそ宮崎から届く知らせにはつい前のめりになる。

前の試合では久保が5打数5安打の大当たり、その熱がまだ冷めないうちのソフトバンク戦だった。

マウンドには佐藤柳之介。2年目の左腕にとってこれがこの秋最後の先発になる。

雨にたたられた18日のロッテ戦は99球で途切れた。今度こそ最後まで投げきるところを見せてほしい。

そんな祈るような気持ちで12時半のプレーボールを待った。

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2アウト満塁のライトフライ そこから佐藤柳之介が目を覚ました

1回はさらりと三者凡退。笹川をセンターフライ、中澤を空振り三振でまずはいい滑り出しだ。

でもね、2回にいきなり試練。

先頭の髙橋の打球がセンターへぐんぐん伸びていく。久保のグラブには当たったものの、そのままフェンスに直撃の2塁打だ。

そこから空振り三振をふたつ取りながら、四球もふたつ出してしまう。気づけば2アウト満塁。

ここで一本出たら、この秋の総決算がいきなり苦しい展開になる。

迎えるは9番の漁府。打球はふわりとライトへ上がり、二俣のグラブにすとんと収まった。

思わず声が漏れたのは、たぶん私だけじゃないだろう。

3回もまた冷や汗だ。2アウトから石塚にセンターオーバーの三塁打を浴びたけれど、髙橋をライトフライに仕留めて切り抜けた。

打線のほうは相手先発の岩崎にうまく抑えられていた。

1回も2回も三者凡退で、ぱっとしない空気がじんわり漂いはじめる。

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狙ったストレートがライト最深部へ 久保修の目覚めの一打

その空気をひと振りで変えたのが久保だった。

3回裏、先頭の西川が四球を選ぶ。小林のファーストゴロでランナーは2塁へ進み岸本はセカンドフライ。

2アウト2塁、打席に1番の久保。

正直に言うとこの場面はそこまで期待していなかった。2アウトだし岩崎の球にはずっと力があったから。

そこへ来たストレートを久保は迷いなく振り抜いた。

カーンと乾いた音がして、白球がレフトの空へ高く高く上がっていく。追いかける外野手の足が途中で止まり、打球はレフト奥の芝生で弾んだ。

2点先制。ベンチの前で手を叩く仲間の顔が、遠い宮崎からでもはっきり想像できた。

試合後の久保は、笑顔でこう振り返ったそうだ。

「ストレートを狙って仕留めきれた」

狙い球を決めてその1球を逃さない。

言葉にすれば簡単だけど今季の1軍でそれがどれほど難しかったか、本人がいちばん知っているはずだ。

ここ3試合で10安打。しかもこんな言葉まで出てきた。

「打席であれこれ考えなくなった」

この一言がいちばんうれしかった。

迷いの消えた打者は構えからして違う。ダイヤモンドを回る足取りもどこか軽く見えて、肩の荷をひとつ下ろしたようなそんな背中だった。

2点をもらった柳之介もここからが別人だった。

4回は三者凡退。5回に2本のヒットを許したものの、石塚をサードゴロに打ち取ってゼロを並べる。

そして6回、7回、8回とテンポよく三者凡退が続く。6回には髙橋のゴロをサードが好守でさばいてスタンドからおおっと感嘆の声が上がった。

投げるのが早いと守る側のリズムも良くなる。

野手の一歩目が軽くなる、あの感じが画面越しにも伝わってきた。

MAX147キロ、平均144キロ。数字以上に、ストレートを投げる腕の振りが強かった。

左打者にはチェンジアップも混ぜていた。この秋で手に入れた武器なんだろう、打者の腰がふっと泳ぐ場面が何度かあった。

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9回のマウンドへ 130球目まで腕を振りきった

8回裏、打線がもう1点を取ってくれた。

2アウトから二俣がサードへ叩きつけて内野安打。続く仲田の打球を相手のショートがはじき、送球もそれる間に二俣がホームまで帰ってきた。

きれいな得点じゃない。でも3点目はほんとうにありがたかった。

9回、柳之介は迷わずマウンドへ向かった。

髙橋をレフトフライ、アルモンテには四球を出したが、渡邉陸を空振り三振。最後はザイレンの打球がライトへ上がる。

捕った瞬間、肩の力がすうっと抜けた。

9回130球、4安打8奪三振、無失点。この秋最後の登板を完封で締めくくってみせた。

あの130球目まで腕の振りは最後まで緩まなかった。

2回のピンチでもう1球ゆるい球を投げていたら、この結末はなかったかもしれない。

いまの柳之介には、ローテーションの空いた椅子がちゃんと見えているんだろう。そう思わせるまっすぐな9イニングだった。

ふたりとも決め手はストレートだった。

打つ側は狙って仕留め、投げる側は力でねじ伏せる。同じ1球を挟んで向かい合う勝負に、ふたりとも真正面から勝ったんだよな。

宮崎の秋もあとわずかだ。

来年の春マツダスタジアムのマウンドで腕を振る柳之介と1番打者としてストレートを叩く久保の姿を思い浮かべながら

今夜のビールはいつもより多めに飲もう。

4番仲田のバットが日南で吠えた!長いトンネルを抜けた右の大砲の3安打と若鯉ピッチャー3投手がつないだ無失点
10月17日 土曜日オリックス 8 - 4 カープ負けた。なのに、スコアを見たあとの気分が妙に軽い。みやざきフェニックス・リーグ、天福球場で12時30分のプレーボール。秋の日南で、ひとりの若い4番が長いトンネルの出口を見つけた日の話をしたい。1軍のシーズンが終わると、カープの話題はどうしても少し静かになる。でも宮崎では、来年の顔ぶれを決める本気のふるい分けが続いているんだよね。その真ん中にいるのが仲田だ。沖縄尚学から入って3年目、187センチ103キロの右の大砲候補。ただ、ここしばらくはバットから快音が消えていた。休みだった前日も迎打撃コーチとたっぷり2時間ほど汗を流していたらしい。球団の公式...

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