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10月1日 カープは小園海斗、矢野雅哉、前川誠太、田村俊介の4選手に戦力外通告を行った。
前年の首位打者・最高出塁率タイトル保持者でWBC日本代表の小園、ゴールデン・グラブ賞の矢野。全員が20代の野手。
球団は「信頼関係を築くのが難しい」と説明した。
その「信頼」という言葉をどの口が言うのか。
この4選手が素行において問題を抱えていたこと自体はもはや否定しようがない。
矢野と前川は「ゾンビたばこ」と呼ばれるエトミデートを巡って家宅捜索を受け、9月に書類送検された。
小園と田村も、週刊誌に有罪判決を受けた売人との写真を掲載されている。
だから切った。それ自体は、百歩譲って理解できなくはない。
だけど、怒りの矛先はそこじゃないんだよな。
バティスタの時もそうだったけど、せめて小園と田村だけでも、守ってやろうという気にはならなかったのか。
8月18日 あの日新井監督は何を「考えていた」のか
思い出してほしい。8月18日、新井監督は小園の2軍降格についてこう語った。
「1日ゆっくり考えたかった。昨日一日中、彼のことを考えていたんだけど、彼のためにどうしてあげることがベストなのかをずっと考えていた」
あの言葉を聞いて胸が締めつけられたカープファンは少なくなかったはずだ。監督がそこまで悩んでくれているのかと。選手を思う気持ちがあるのかと。
だけどいま振り返ると、あれは完全に芝居だったんじゃないか。
7月には矢野と前川が家宅捜索を受けている。週刊誌には小園と田村が売人と一緒に写った写真が出回っていた。
球団内部の調査も進んでいたはずだ。鈴木本部長は今回の会見で、新井監督には「自由契約にしますよと伝えた」と明かした。
自由契約にすることを本部長から監督に通達した。その順番。
あの8月18日の段階で、もう絵は描かれていたと考えるほうが自然だろう。
鈴木本部長から「小園を切る」という方針は伝わっていて、新井監督が悩んでいたのは「どうやって本人に言おうか」だけだった!?
「彼のためにどうしてあげることがベストなのか」じゃない。
「どう言えば角が立たないか」を考えていたんだろうと疑うわ。
それを裏付けるかのように、小園は8月31日に離婚を発表した。2軍降格からわずか13日後。
戦力外通告を言い渡されたか、あるいはそれを肌で感じ取って、身辺整理に入ったとしか思えないタイミングだ。
お金大好きインフルエンサーの妻が、野球選手じゃなくなる夫に興味がなくなったのかも知れない。
小園自身も通告後に「なるだろうと思ってました」と言っている。覚悟はとっくにできていた。
つまり、球団の意思決定は8月中旬にはほぼ固まっていたということだ。たぶん…
なのに新井監督は「初心にかえって、野球と自分自身と向き合って」と語ってみせた。
もう帰ってこない選手に向かって。あの言葉を真に受けたファンに対してなんと説明するつもりなのか。
「信頼」を語る資格があるのは誰か
鈴木本部長は会見で「球団との信頼関係を築くのが難しいと考えた」と説明した。4選手すべてに「信頼」というキーワードで通告を行ったという。
小園は「信頼できないと言われたんで」と口にし、田村は「ちょっとしたことでも疑いを生んでしまう」と言われたことを明かした。
「信頼」
この言葉、あまりにも都合がよすぎないか。
矢野と前川は書類送検された。法的な事実がある。だったら「コンプライアンス違反」と言えばいい。
小園と田村は、週刊誌に売人との写真を撮られた。直接的な法的処分は受けていない。
だから「信頼」という曖昧な言葉で包んで、同じ袋に4人まとめて放り込んだ。
要するに、球団にとって「信頼できない」のは選手じゃなくて、選手を抱え続けることで自分たちに飛び火するリスクのほうだろう。
写真週刊誌にこれ以上何を書かれるかわからない。捜査がどこまで広がるかもわからない。
だったら先に切ってしまえ。そういう判断だったとしか読み取れない。
いわゆる『保身』
現場レベルでは確かに責任を取った形になった。4人の選手が職を失った。
新井監督も3度辞意を伝えたという報道がある。にもかかわらず、松田オーナーに慰留されて続投が決まった。
じゃあ球団首脳陣はどうなんだ。
1月に羽月が逮捕された。5月の初公判で「周囲にも吸っているカープの選手がいた」と証言された。7月に週刊誌報道、家宅捜索。9月に書類送検。
この間、鈴木本部長は「ネットの発信にこちらが反応することはない」「コメントすることはない」を繰り返してきた。
半年以上も後手に回り続けた管理責任はどこへ消えたのか。選手を切れば済む話じゃないだろう。
現場と球団役員をつなぐポジションの人間が、何の処分も受けないまま来季を迎えるのなら、それこそカープ球団が語る「信頼」は完全に地に落ちる。元々ないけど…
保身の連鎖がカープを壊していく
松田オーナー代行は「来季、一丸となって戦っていくことで責任を果たしたい」とコメントした。
一丸。この言葉も鈴木本部長が使った。「新井監督のもと一丸となるため」に4選手を切ったと。
一丸になるために人を切る。この論理がまかり通るなら、組織というものは何でもできてしまう。
問題を起こした人間だけを排除して、その問題を生んだ構造には手をつけない。それは改革でもなんでもなく、ただの保身だ。
鈴木本部長が新井監督に「自由契約にしますよ」と伝えたタイミングは、本人の口から語られていない。
昨日なのか、今日なのか、8月18日なのか。闇の中だ。
でもね、小園の離婚のタイミング、「なるだろうと思ってました」という本人の言葉、すべてが8月中旬を指している。
つまり、2カ月近くも、切ることが決まっている選手を2軍に飼い殺しにしていたということになる。
その間、カープ球団はファンに何も説明しなかった。「調査している」「コメントすることはない」。ずっとそれだけだった。
カープファンと球団の間に信頼があるかと聞かれたら、正直もうほとんど残っていないと答えるしかない。
ファンはずっとスタンドで待っていた。球団が誠実に説明してくれることを。選手を守るために動いてくれることを。
でも球団が守ったのは、選手ではなく自分たち広島の既得権益者の体面だった。
田村が「こんなバカで不器用な自分を5年間育てていただいて」と言ったとき、胸の奥がぎゅっとなった。
彼らに非があったことは間違いない。でも23歳や26歳の若者を管理し、導く責任が球団になかったとは言わせない。たとえそれが個人事業主との契約だとしてもだ。
来シーズン、カープは新井監督のもとで5年目を迎える。だが監督の上にいる人間たちが何も変わらないなら、同じことはまた起きるだろう。
鯉と言うだけあって、「魚は頭から腐る」という格言がカープ球団にはピッタリだ。
信頼は上から下に求めるものじゃない。まず自分たちが差し出すものだ。それがわからない球団に選手がついてくるはずがない。


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