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DeNA 3 – 4 カープ
今季初の4連勝。137試合目にしてやっとだよ。
きょうの横浜は雨だった。18時のプレーボールのときから空は重く、マウンドもぬかるんでいたはずだ。
相手の先発はDeNAエース・東克樹。防御率2.32、今季12勝。セリーグでも屈指の左腕に対して、カープが送り出したのはドラフト4位ルーキーの工藤泰己。
プロ初先発。あしたが23歳の誕生日だ。
正直なところ、不安しかなかった。東にまともにぶつかれるのか。
ブルペンデーのつもりで2回か3回持ってくれたら御の字、そんな覚悟をしていた。
雨のマウンドで腕を振り続けたルーキー
ところが、この工藤がいい。初回にいきなり154キロを計測して、筒香やエンカーナシオンといったDeNAの強力クリーンアップを相手に、力で押し込んでいく。雨でマウンドのコンディションが悪い中で制球を乱す場面はあったものの、腕の振りが衰えない。
2回に1アウト満塁のピンチを背負い、成瀬の犠飛で同点に追いつかれた。だけど、そこから崩れなかった。3回、4回と走者を出しながらも要所を締める。投げっぷりに迷いがない。
カープ打線も東から効率よく点を取った。初回に中村奨成の内野安打と犠打で作ったチャンスから坂倉の犠飛で先制。4回には内野安打とヒットエンドランを絡めて2アウト満塁を作り、打席に立ったのは投手の工藤だ。
ここで工藤が粘る。東の低めのツーシームを見逃して、フルカウントから押し出し四球。プロ初安打より先に、プロ初打点が記録された。自分の投球を自分のバットで援護する。なんともしぶとい。2-1。東相手にリードを奪った。
5回、ノーアウト2、3塁のピンチで東に犠飛を打たれて同点にされた。けれど、なお1アウト2塁というしんどい場面で、工藤は度会を打ち取り、牧も仕留めた。2番と1番を連続で片づけて、5回を投げ切った。2失点。ルーキーのプロ初先発としては、十分すぎる内容だったと思う。
あの6回に工藤がいなかったことが どうしても引っかかる
問題はここからだ。
5回を終えてスコアは2-2の同点。工藤に勝ち投手の権利はまだない。6回のマウンドに上がれば、味方が勝ち越してくれたときに初勝利がつく。
あしたは誕生日なんだろう。打席でも粘って自分で勝ち越し点を叩き出した男に、もう1イニング任せてやれないのか。
ところが6回、工藤の打席に代打ファビアンが告げられた。
そしてその裏、マウンドには遠藤が上がった。遠藤はよく投げて5勝目を挙げたし、ターノック、大瀬良、森浦とつないで勝ちきったブルペンの仕事は見事だった。
結果論で言えば、チームは勝った。4連勝して4位に浮上した。
でもね、それとこれとは違うんだよな。
工藤は5回を投げ終えたあとも、まだ球の力が落ちていなかった。
雨の中でもへばらず、度会と牧を抑えて帰ってきた直後だ。球数だって極端に多かったわけじゃない。
あそこで「お前に賭けた、いけるところまでいってこい」と送り出すのが、消化試合の戦い方じゃないのか。
たとえ6回に打たれて負け投手になったとしても、最後まで任されたという経験は、来季に向けてどれだけ大きな財産になるんだろうか。
初勝利は逃しても、監督に信頼された記憶は残る。そこを新井監督には踏み込んでほしかった。
新井監督は試合後、工藤について「いいものをみせてくれたと思います。馬力があるので、今後が楽しみ」と語った。ナイスピッチングだと認めていた。
だからこそ余計にもどかしい。
7回、同点の1アウト2塁で菊池がセンター左を破る勝ち越しの二塁打を放った。この一打で通算350二塁打。NPB史上50人目。
2000安打を達成した56人よりも少ない、稀少な数字だ。菊池は試合後に「思い切り行くことがやっぱり一番」とさらっと言ってのけた。
その前の勝田の犠打失敗で嫌な空気が漂っていたところを、ベテランの一振りでひっくり返す。2戦連続の決勝打。やっぱりベテランのこの男は頼りになる。
代打秋山のタイムリーと最後のひやりを越えて
8回には2アウト2塁から代打の秋山がライトへきっちりタイムリーを流し打って、4-2。ベテランの仕事だ。
秋山のバットから放たれた打球がライト前に転がっていくのを見て、ようやく少し肩の力が抜けた。勝てるだろう。
9回、森浦がマウンドに上がった。2アウトまでは順調に進んだが、そこから連打で1、3塁。度会にセンター前に運ばれて4-3の1点差。
横浜スタジアムがどっと沸いた。心臓に悪い。最後の打者を打ち取って試合終了のコールが流れたとき、「ふう~」、と息が漏れた。
この勝利で4位浮上で7月4日以来の順位。ヤクルトを上回り、最下位とは言われない場所に戻ってきた。
率直に言って、きょうの勝利には素直に喜べない部分がある。工藤を6回に代えたあの采配は、どうしても腑に落ちない。
結果的に勝ったからいいという話ではなく、若い投手の芽をどう育てるかという問題だと思っている。
ただそうは言っても、横浜まで来てくれた関東のカープファンのことを思うと、この2連勝はほんとうにうれしい。
今季は辛いシーズンだった。関東在住のカープファンは、わざわざ横浜や神宮や東京ドームまで足を運んで、負ける試合ばかり見せられてきたんだから。
きょうの横浜で、少しでもいい気分で帰れたならそれだけで意味がある。
あしたは東京ドームで巨人の最終戦。東京のカープファンが今季最後にカープの試合を見届ける日だ。
菊池は相変わらず頼もしいし工藤というルーキーの存在も希望になった。同じくルーキー勝田も上り調子。
モヤモヤした気持ちは消えないけれど、あしたもまた赤いカープのユニフォームを着た選手たちが全力で走り回ってくれると信じている。
東京ドームのレフトスタンドにいい夢を届けてくれ。


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