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DeNA 4 – 6 カープ
110球を投げ抜いた22歳の背中にマツダスタジアムの拍手が降り注いだ。
プロ初勝利には届かんかった。
じゃけど、きのうの斉藤優汰の投球は勝ち負けの数字だけでは測れんもんがあった。
7月15日、曇り空の広島は蒸し暑かった。18時のプレーボールから、空気がまとわりつくような夜じゃった。
相手先発は今季防御率2.29の左腕エース東。
今季ここまで3試合の対戦で1勝2敗、防御率1.36と抑え込まれとった難敵を相手にカープは斉藤優汰を先発のマウンドへ送り出した。
初回、いきなり試される。勝又、佐野にヒットを許し、2アウト一二塁から筒香にライトへ先制タイムリーを打たれた。
左打者3人に立て続けに捉えられて、正直ちょっとヒヤッとした。
ほいじゃが、斉藤はそこから崩れんかった。
1点で踏みとどまり、その裏に名原が生還して1対1。試合は振り出しに戻った。
150キロ超えの直球と押し出しの悔しさ 斉藤優汰が見せた4回2/3の中身
2回以降の斉藤は別人のようにテンポよく腕を振った。ストレートは常時150キロを超え、変化球もコーナーに投げ分ける。走者を出しても慌てる素振りがなく、堂々としたもんじゃった。
ただ5回、2アウトから連打と四球で満塁のピンチを招く。フルカウントから松尾への1球、際どいところに投げたように見えたが球審の手は上がらず、押し出しで勝ち越し点を献上。
審判との相性が悪かったのかな?
110球、4回2/3、6安打4四球2失点。数字だけ見りゃあ物足りんかもしれん。
じゃけどわしは、あの降板の瞬間を忘れられんのよ。マウンドを降りる斉藤にスタンドから自然と拍手が起きた。
責められるような投球じゃなかったことを、18,986人の観客がわかっとった。
登板前に斉藤は 「欲を出してよかったことが今までない。とにかく目の前の一球を考えてやっていきたい」 と語っとった。
その言葉どおりの投球じゃった。最後まで球威は落ちず、マウンドで苦しむ表情も見せんかった。
22歳の右腕は、確かにひとつ階段を上がっとる。
6回の爆発 東を引きずり降ろした集中打と石原の一撃
1点ビハインドで迎えた6回裏。ここからの攻撃は、ほんまに鳥肌もんじゃった。
菊池のヒットを皮切りに、ファビアンが出塁して1アウト一二塁。
ここで小園がレフトへ同点タイムリーを放つ。続く佐々木泰がレフトへ勝ち越しのタイムリー。
さらに大盛もライトへヒットを放って満塁とすると、石原がエンタイトルツーベースを叩き込んだ。
この日3打数3安打の石原は、試合前まで東に通算15打数1安打じゃった男である。
それが3打席すべてで安打を記録し、最大の場面で試合を決定づける一打を放った。
新井監督は 「しっかり自分のポイントまで引きつけて、体の近くでスイングできている。本当に成長してると思います」 と目を細めた。
さらに代打で登場した秋山がライトへ犠牲フライ。
この回6安打を集中させ、一挙5得点で東をマウンドから引きずり降ろした。
試合後、石原は 「投手も頑張ってくれていますし、本当に勝てて良かった。打った、打たないは関係なく」 と語った。
あの言葉にバッテリーを組んだ斉藤への敬意がにじんどったように思う。
6回を三者凡退で締めた遠藤に勝ち星がつき今季初勝利。
髙、ハーンとリリーフ陣がつないで、9回は森浦が牧に2ランを浴びたものの最後は逃げ切った。
新井監督は試合後、斉藤についてこう語った。
「少しずつ自分との勝負から相手との勝負になってきている。そういうところが一番成長を感じます」
自分との勝負から、相手との勝負へ。この言葉が、きのうの斉藤優汰のすべてを物語っとる気がする。
32勝44敗4分、5位。チームの現状は厳しい。それでもDeNAとのゲーム差を再びゼロに戻したこの一勝には数字以上の意味があった。
安仁屋じいさんは 「この投球ができれば初勝利は近い」 と太鼓判を押し、次は間を空けず中6日でローテーションに入ることを期待した。
わしも同じ気持ちよ。
次こそ、あの拍手を歓喜の拍手に変えてくれ。斉藤優汰、おまえの球はもうホンモノじゃ。
来週の水曜日、涼しい東京ドームでプロ初勝利を掴み取ってくれ!


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